1月23、24日の日銀政策決定会議について、WSJは20日の国際面に
その決定内容を予測する記事を掲載した。
日銀の考えに詳しい人によれば、日銀は、2年以内に目標とする2%のインフレ率を達成することに楽観的だ。そして、将来起こり得る政策変更について、どの様にコミュニケーションするのが良いか考えている。
日銀は、月曜日と火曜日に開催される予定の2018年最初の政策決定会議の準備中だ。日銀内部の人たちは、インフレに向けて順調に推移しているというより多くのサインを確認している。生鮮食品を除いたコアインフレ率は11月に0.95上昇した。企業の幹部は、労働組合との年次交渉が行われる春の時期に、通常より大きな賃上げを行うことについて、オープンに発言している。
こうした動きは、連邦準備銀行や欧州中央銀行に続いて、日銀も金融緩和政策を元に戻すのではないかという憶測に結びついている。年初に日銀が国債買入額の若干の縮小を発表しただけで、円は113円から111円へ上昇した。
日銀に近い人たちから見れば、市場は変化に過剰に反応し過ぎている。彼らによれば、この変化は、より幅広い政策の変更を意味するものではない。
こうした反応を見ていると、今後2年程度インフレ率2%に向けて前進するとして、日銀が将来起こり得る政策変更について発言することが如何に難しいかが分かる。
日銀関係者によれば、日銀が、この経験を通して適切なコミュニケーションが如何に重要がが分かったという意味で、この経験は良い経験だった。
政治家はインフレの進捗に自信を持っているが、政策を変更する前には、もっとインフレ達成の確実度を高めてからにしたいとしている。
日銀の考えに詳しい人によれば、来週の会議では、日銀はその主要な政策を維持するだろう。主要な政策とは、10年物国債の金利をゼロで維持すること、中央銀行にある市中銀行の預金への金利をマイナス0.1%とすることだ。
日銀は成長と価格についての予測をアップデートするだろう。現在、日銀は、2019年3月に終わる会計年度のインフレ率を1.4%、2020年3月に終わる会計年度のインフレ率を1.8%と見ている。こうした予測はそれ程変化しないだろう。
何人かのアナリストは、日銀の予測は、楽観的過ぎると言う。大和証券のエコノミストであるノグチマイコは、1月11日に日銀が発表した生活意識に関するアンケート調査について指摘した。それによれば、多くの消費者が値ごろ感に優先度を置いている。
もし、2%のインフレ率への進捗が確実になったら、2%が実際に達成される前に日銀が金利をあげることも論理的にはあり得ると日銀の考えに詳しい人は指摘する。そうであるからこそ、日銀はこれまで、特定の金利レベルをコミットするよりも、金融緩和そのものを継続することをコミットすることにフォーカスしてきたのだ。