Thursday, December 29, 2016

日本は新しい外交の時代を見据える【A7面(国際面)】

安倍首相は日本時間12月28日に真珠湾を訪問したが、WSJはこの訪問に関連して、安倍首相の外交方針についての記事を29日の国際面に掲載した。



まず、安倍首相の真珠湾訪問を彼の最高の業績(his highest-profile move)として絶賛している。その上で、韓国との慰安婦問題、ロシアとの領土問題など、戦後日本が未解決のまま引きずってきた難しい問題に精力的に取り組んでいると評価。また、米国との間の戦後の問題も、2015年の米国議会での演説から初めて、今回の真珠湾攻撃に至るまで戦略的に取り組んできたことを紹介している。トランプ次期大統領と、大統領選挙後初めてあった海外のリーダーであることも紹介していて、安倍首相の外交姿勢を高く評価している様に読める。

***** 以下本文 *****

日本の安倍首相の真珠湾訪問は彼の業績の中でも最も評価されるべき業績だ。中国や北朝鮮からの脅威が明らかになり、新しい経済や安全保障面での問題が出現する中で、安倍首相は第二次世界大戦の遺産を払拭しようとしている。
安倍首相の外交面でのパートナーシップ強化の取り組みの中には、昨年韓国と慰安婦問題解決にむけて締結した合意もあげられる。日本帝国軍によって、韓国の女性が強制的に売春をさせられたという問題だ。安倍首相は、膠着しているロシアとの領土問題をなど、その他の第二次世界大戦に起因する問題を解決しようと努力している。
日本にとってアメリカとの関係以上に重要な関係はない。アメリカとの関係は、日本が攻撃された場合にアメリカが日本を防衛するという二ヶ国間での条約に規定されている。また、アメリカは日本にとって中国に次ぐ2番目に大きな貿易パートナーだ。
ドナルドトランプの11月の選挙運動中にこの2ヶ国関係の強さについての懸念が渦巻いた。トランプは、選挙運動中に、日本を貿易上の敵と位置づけ、アメリカの軍事上の保護から不当に利益を得ているとした。
今月行われた世論調査では、約40%の日本人が日米関係は悪化するとみている。この数値は、2004年に調査を始めて以来最大だ。
安倍首相は火曜日のスピーチの中で、日米の親密さについて何度も強調した。
彼は「我々を結び付けるのは、和解の力です。」と強風の吹く真珠湾でのセレモニーで述べた。真珠湾での日本の奇襲が、75年前に米国との戦争につながった。彼は「ここで位犠牲になった方々の御霊に対して心からのそして永遠の哀悼の意」を表した。
ワシントンのシンクタンクであるヘリティッジファウンデーションの創設者でトランプ氏のアドバイザーでもあるエドフルナー氏は、安倍首相の訪問を日米同盟の強さを大いに示すものだとし、更にトランプ次期大統領は日米関係の重要性を理解しており、日本と緊密に仕事をしていくと付け加えた。
フルナー氏は、このコメントはあくまで個人的なもので、トランプ氏の移行チームのコメントではないと強調した上で、「我々は信頼できず、常軌を逸した中国との問題に今後共取り組まねばならず、その意味で日米関係は特に重要だ。」と述べた。
中国は安倍首相の訪問について、冷たい反応をみせた。この訪問により、日本が戦争の歴史から一歩を踏み出すことが出来るかとの問いに対し、外務省のスポークスウーマンのフアチャニングは「ただ単に真珠湾を訪問したから全てが清算されるというのは、願望にすぎない。中国こそが第二次世界大戦の主戦場であったことを忘れないで欲しい。」と述べた。
安倍首相は2015年4月に米国議会で共同セッションを行ったが、それが米国の戦争への記憶を和らげるための最初の一歩だった。そこで彼は演説を行い、アメリカの戦死者に対する深い哀悼の意を表した。
5月にはオバマ大統領が広島を訪問した。広島は、世界で初めて原爆が投下された場所だ。
米国の現職大統領による初めての訪問について、その時はトランプ氏は批判的だった。「オバマ大統領は、日本滞在中に真珠湾での奇襲について話し合ったのか?」とトランプ氏は5月29日のツイッターで述べた。
安倍氏は素早くトランプ氏を巻き込んだ。安倍氏は、トランプ氏が選挙戦に勝利した後、次期大統領であるトランプ氏と会った最初の海外のリーダーだ。
日本の関係者によれば、日本のリーダーは、就任直後にトランプ氏と会談することによって、協力のメッセージを国内に印象付けることを狙っている。