Saturday, December 31, 2016

*** 12月のまとめ ***

12月にWSJに掲載された日本関係の記事は5件。1月~11月までの1月当りの平均が8.8件だったので、平均を大きく上回った。18件という掲載回数は、5月の19件に次いで、今年2番目に多い。5月はオバマ大統領の広島訪問が9件を占めたが、12月は安倍首相の真珠湾訪問が6件を占めた。安倍首相の真珠湾訪問は28日のI面トップを飾ったが、CNNもこのニュースをトップで伝えていた。




テーマ別では、政治関係が10件、経済関係が5件、社会関係が3だった。

政治関係では、10件のうち、安倍首相の真珠湾訪問関連の記事が6件、日露首脳会談の記事が2件。安倍外交に大きなスポットライトが当たった月だった。
安倍首相の真珠湾訪問が正式発表された翌日の6日にこのニュースを速報、真珠湾に到着した27日(日本時間)には国内面で速報、アリゾナで犠牲者を追悼した28日(日本時間)には1面、国内面、社説で取り上げ、更に29日には真珠湾訪問を含む最近の安倍外交の成果について触れた。いずれの記事でも安倍首相の対応を絶賛している。
一方、日露首脳会談は、15日の長門市での会談、16日の東京での会談のいずれも翌日の国際面で速報している。こちらは、したたかなプーチン大統領に安倍首相が手玉に取られたというニュアンスで、暗にプーチン批判を展開した。
また22日には、防衛費の5年連続増加を閣議決定した安倍首相を絶賛する記事を、29日には靖国神社を訪問した稲田防衛大臣に不快感を滲ませた記事を掲載した。

経済関係では、6日の1面で日本では政府が主要株主になっている(主要上場企業の実に30%で、日銀がトップ10株主に)といニュースを取り上げ、株価が不当に引き上げられているとして批判。
8日には、内閣府発表の7-9月期のGDP発表を受け、3四半期連続でGDPが成長したことを速報、また、20日には日銀が景気判断を上方修正したことを速報した。いずれも日本経済の明るい面に焦点を与えた記事だ。
29日には、ウェスチングハウスを買収した東芝が、原子力事業で減損損失が出る可能性があると発表したことを取り上げ、31日には、スプリントを買収したソフトバンクの孫正義会長が、トランプ次期大統領との関係を確立してT-Mobileの買収を画策しているとことを取り上げた。どちも、大型買収が注目を集めた会社だが、明暗が分かれている。

社会関係では、原発関係のニュースを2つ速報した。9日に「福島第一原発事故の処理費用が11兆円から倍増する見通しであるとこと」を、22日には「高速増殖炉もんじゅの廃炉正式決定」を、取り上げている。
17日には「JAXAが民間企業と協力して宇宙資源開発に参入する。」という明るい記事を掲げた。


掲載箇所では、1面が4件、社説が1件、国内面が2件、国際面が11件だった。久しぶりに多くの記事が1面を飾った。