Wednesday, December 28, 2016

日本の首相の地味な訪問【A3面(国内面)】

安倍首相は、日本時間の12月28日に真珠湾を訪問したが、WSJは同日の国内面でこのニュースを大きく報道した。



訪問の様子を一通り伝えているが、特に両首脳が米国退役軍人の方々に異例ともいえる手厚い対応をしたことを詳細に取り上げており、両首脳の訪問が心がこもったものであったことを強調している。安倍首相の真珠湾訪問は、オバマ大統領の広島訪問と並んで、戦後75周年という節目の年に両国の首脳が成し遂げた偉業だと言っている様に読める。

***** 以下本文 *****

オバマ大統領と安倍首相は、火曜日に歴史的で地味な真珠湾訪問を果たした。1941年の日本の攻撃によって犠牲となった2,400人以上のアメリカ人に慰霊を捧げた。
両首相はそれぞれ、アリゾナ記念館の壁に平和を祈ってユリを献花した。そこには、犠牲となったアメリカ人の名前が刻まれている。両首相はまた、沈没した船の上の海上に、ハワイの蘭を投げ入れた。
アリゾナ記念館への訪問は、現職の首相としては初めて。この訪問は5月のオバマ大統領の広島訪問と対にして考えられる。広島は1945年にアメリカが原爆を投下した場所だ。オバマ大統領も広島を訪問した最初の現職大統領だった。
火曜日のスピーチの中で、安倍首相は、オバマ大統領が広島で行ったスピーチの中で触れたテーマと同様のテーマに触れた。彼は、日本の奇襲による被害を認め、真珠湾を日米の和解の象徴だと述べたが、謝罪をするには至らなかった。
安倍首相は、アリゾナ記念館の対岸の埠頭にオバマ大統領と並び、「犠牲者の御霊が安らかに眠られることを祈ります。」と述べた。
「日本の首相として、ここで亡くなられた方々に、心からのそして永遠のお悔みを申し上げます。」と彼は述べた。「我々は戦争の恐怖を二度と繰り返してはなりません。」
オバマ大統領は安倍首相の訪問に感謝に意を表し、和解の力を示す歴史的な訪問だとした。
「我々の同盟はかつてない程強まっている。」とオバマ大統領は述べ、真珠湾はアメリカ人にとって神聖な場所だと述べた。
「ここで我々は共に、、戦争よりも平和によって得られるものの方が多いことを世界向かってに訴えたい。」とオバマ大統領は述べた。
日米両首脳による、日米両国の第二次世界大戦の戦没者慰霊施設への訪問は、いずれも真珠湾攻撃後75周年に行われた。
広島訪問の際、オバマ大統領は、1945年のアメリカの原爆投下による犠牲者の慰霊施設を訪れ、犠牲者の霊を弔った。アメリカによる広島と長崎への原爆投下は10万人以上の犠牲者を出したが、その直後の日本の降伏につながった。
「私は、この都市の真ん中に立って、原爆が投下されたその瞬間のことを想像せずにはいられません。」とオバマ大統領は広島で述べた。安倍首相は、オバマ大統領の広島訪問に同行し、オバマ大統領が広島を訪問されるのには勇気が必要だっただろうと述べた。
その際、「この悲劇は決して繰り返してはなりません。」と安倍首相は述べた。
火曜日に、スピーチの後、両首脳は、埠頭の小さな傍聴席に座っていた第二次世界大戦の退役軍人たちと握手を交わした。オバマ大統領は、聴衆とスピーチ台との間のバリケードにもたれかかって、そのうちの一人を抱きしめた。
大統領は、大統領記念コインを、高齢の退役軍人の手のひらに滑り込ませた。安倍首相は、跪いて、通訳を介して彼らと会話をした。
両首脳は、真珠湾訪問の前に代表団を交えて非公式会談を行った。両首脳は、大きな拍手の中会場を後にした。
安倍首相は、真珠湾を訪れた最初の首相ではない。しかし、アメリカの大統領と共に訪問したという点、1962年に建造されたアリゾナ記念館を訪問したという点では、最初の首相だ。